参加者は6名でした。
10月10日(木)18:30~
場所:聖路加国際大学 本館506教室
担当:中山和弘先生(聖路加国際大学)
テーマ:文献紹介
Carol D. Ryff., et al.
Culture, inequality, and health: evidence from MIDUS and MIDJA comparison.
Cult Brain. 2015; 3(1): 1-20.
・今回読んだ論文は、健康格差と社会的決定要因との間にある心理社会的要因について、
なぜ社会階層が低いと健康が悪いのか、という内容についてのレビュー論文でした。
アメリカと日本において行われた、大規模追跡調査の結果を基に、アメリカと日本の
比較が検証されました。
・アメリカではmastery(sense of control)、psychological well-being、anger、
maternal nurturance(養護性)、personality traits(性格特性)が挙げられていました。
自分のことがコントロールできる感覚が高い人、ポジティブな感情を持っている人、
怒りを表出できる人、養護者にしっかりと育てられた人であれば、低学歴・低所得
でも健康への影響を排除できるということがわかりました。
・一方、日本においては、interdependence(relational harmony)、つまり相互依存、
人間関係の和が挙げられていました。また、日本はネガティブな感情、ポジティブな
感情、両方を訴える、弁証法的(dialectical)スタイルで、感情表出として中庸
(middle way)であることが、東アジアにおける文化的な特徴として挙げられて
いました。
・ディスカッションでは、この調査において、社会的決定要因を何として設定していた
のかという疑問や、日本においてもmasteryは必要であることなどが話題に出ました。
次回の予定は下記となっております。
2019年12月12日(木)18:30~
場所:聖路加国際大学 本館 506教室
担当:谷木龍男先生(清和大学)
テーマ:文献紹介
M. M. Vainio, D. Daukantaite,. Grit and Different Aspects of Well-Being: Direct and Indirect Relationships via Sense of Coherence and Authenticity. Journal of Happiness Studies.