2013年4月11日木曜日

フローの研究

今年度最初のPP会が行われました。
内容は以下の通りでした。

日時:2013年4月5日(金)18時半~
●場所:聖路加看護大学506
●内容:「自律訓練法によるスポーツ・フローの向上」   
●発表者:谷木龍男(清和大学)
●内容:フロー (flow) は、Seligmanと共にポジティブ心理学を立ち上げたCsikszentmihalyiが提唱した概念です。今回、紹介させていただく発表は、スポーツ体験の質をフローの観点から捉えた上で(スポーツ・フロー)、セルフモニタリング&リラクセーション技法である自律訓練法 (Autogenic Training) によるスポーツ・フローの向上を実証したものです。


簡単に印象に残った点を書きます。楽しさ=フローは自己と環境の相互作用で、適度な挑戦と適度なスキルから生まれ、フローの既存尺度では挑戦とスキルを測っているものが多いということでした。それはむしろ条件なので、フローそのもの=アウトカムの測定が課題だと思われます。それを、スポーツにおいて測定しようと試みた研究でした。話の中で、「楽しい体育」は失敗したという話がありました。自主的にできるよう環境の調整をしただけでは自分だけではできない生徒や学生が生まれたということです。たとえば練習が厳しく(かつて?のように体罰当たり前とか)、それだけでは楽しくない環境であったとしても、それに合わせて自分で調整して楽しめる力こそが必要だと。そこで自律訓練法が有効なのではというものでした。

フローの尺度については、主体と環境(あるいは条件)の両面からとらえられるものが開発できないものかと思われました。環境の部分は学習のために必要な環境と重なっていて、楽しく学習(あるいは成長のほうがいいか)している状況をとらえることの検討になるのではないかと考えられました。

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