場所:聖路加国際大学5階
テーマ:Benefit-Finding and Growth
担当:聖路加国際大学修士課程 麓さん
麓さんは助産師のPTSDのご研究をされています。
前回9月の担当に引き続き、担当してくれました。
内容
The Oxford Handbook of Positive Psychology(2 ed.)の中の
Chapter 60「Benefit-Finding and Growth」および
Chapter 61「Making Sense of Loss, Perceiving Benefits, and Posttraumatic Growth」
の内容をまとめ発表してくれました。
ディスカッションでは以下の点について取り上げました。
・逆境の生じ方の違いによるFinding BenefitおよびPosttraumatic Growthの起こり方の違いはどうあるのか
例として提示されていた2つの研究「がんの末期で大切な人を失った家族の研究」と
「鉱山爆発事件で大切な人を失った家族の研究」を比較しながら話し合いました。
連続性の中で生じる逆境と、突発的に生じる逆境での大きな違いではないか?とう意見も出ました。
・Posttraumatic Growthはどこまで正確に測定できるのか
PTGは、何らかの逆境を経験した後に認識される成長を測るのですが
それが本当に逆境を経験したからこそ生じた成長と言えるのか、どこまで正確に測れるのか?
逆境を経験していない段階での測定との比較が難しいので限界があるのではないか?
正確に測定できなければ介入の効果を検証できないのではないか?
書籍に登場する研究には、がん患者および乳がん患者を対象とした研究も多く大変興味深い内容でした。
介入を考えていく上でも重要な要素となりうるFinding BenefitやPosttraumatic Growthについて
さらに概念の違いや測定尺度について理解を深めていきたいと思いました。
次回のテーマは「ヘルスリテラシーとSOCの関連について」です。
(記録:大坂和可子)