2021年1月26日火曜日

2021年1月12日(火) PPの会の開催報告

まだまだCOVID-19の感染拡大は落ち着かない日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。

久々の開催となりましたが、1月12日にPPの会を開催しました。
参加者は9名でした。

2021年1月12日(火)18:00~
場所:Zoomにて
担当:石井恵美子さん(城西国際大学看護学部)
タイトル:中国文化を内在化しつつ日本に永住帰国した
     中国残留日本人孤児のストレス対処力と関係する特性

・中国残留日本人孤児とは、「第二次世界大戦終結時、中国で家族と死別、生別した当時
 13歳未満だった日本人」のことを言い、その多くは1980年代以降に帰国しました。
 心待ちにしていた日本への帰国でありながら、残留孤児たちは、多くの困難と苦悩に
 遭遇しました。中国文化を内在化しつつ、日本に永住帰国した中国残留日本人孤児の
 ストレス対処力とその強弱に関係する特性を明らかにすることを目的とした、
 石井さんの研究の結果をご報告いただきました。
・貴重な対象集団のデータであり、充実した意見交換が行われました。
 サンプリングの課題として、母集団の代表性を踏まえ、どのような集団だったのか、
 そして個人の背景を把握していくこと、また、有意差だけに着目するのではなく、
 記述的にデータを読み解いていくことなど、具体的にデータを確認しながら、
 対象者から得られたデータを確認していきました。
・研究の基本ではありますが、目的変数は何だったのか、この研究を通じて何を
 明らかにしたかったのか、原点に戻りながらも、研究の大切な点についても確認が
 行われました。
・先生方の意見交換を通じ、データをデータのままにするのではなく、いかに
 データから物語を紡ぎだしていくのか学ぶことができ、実りの多い時間を過ごすこと
 が出来ました。

次回の予定は下記となっています。
2021年3月2日(火)18:00~
場所:Zoomにて
担当:戸ヶ里泰典先生(放送大学)
テーマ:文献紹介
From Shattered Goals to Meaning in Life: Life Crafting in Times of the COVID-19 Pandemic
de Jong, E. M., Ziegler, N., & Schippers, M. C. (2020). From shattered goals to meaning in life: Life crafting in times of the COVID-19 pandemic. Frontiers in Psychology, 11, 2648. Retrieved from https://www.frontiersin.org/article/10.3389/fpsyg.2020.577708

次回もZoomでの開催を予定しております。
参加をご希望される方は、ご連絡をいただければと思います。
皆さまのご参加をお待ちしております。

萩原

 



2020年12月10日木曜日

2021年1月12日(火)PPの会Zoom開催のご案内

日に日に寒さが増しておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

4月の開催を延期してから、ご連絡ができておりませんでしたが、
オンラインミーティングの環境も整ってきましたので、
約一年ぶりになりますが、久々のPPの会を、Zoomにて開催いたします。

日程は下記の通りとなります。
普段と開始時刻が異なりますので、ご注意いただければと思います。
また、参加を希望される方は、コメントをいただければ、ログインのURLをお伝えいたします。

日程:2021年1月12日(火)18:00~
場所:Zoomにて
担当:石井恵美子さん(城西国際大学看護学部)
タイトル:中国文化を内在化しつつ日本に永住帰国した中国残留日本人孤児のストレス対処力と関係する特性

皆さまのご参加をお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

萩原

2020年4月28日火曜日

【開催延期】4/28(火)PPの会

こちらのブログへのご連絡が遅くなりましたが、
本日のPPの会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、
【延期】とさせていただきます。
次回開催の日程につきましては、感染が終息し落ち着きましたら、
改めてご連絡させていただきます。

それでは、皆様どうぞお身体ご自愛くださいませ。


2020年2月10日月曜日

2/3 PPの会の開催報告

2月3日に開催されたPPの会の開催報告です。
参加者は8名でした。

2020年2月3日(月)18:30~
場所:聖路加国際大学 本館506教室
担当:谷木龍男先生(清和大学)
テーマ:文献紹介
 M. M. Vainio, D. Daukantaite,. Grit and Different Aspects of Well-Being:
 Direct and Indirect Relationships via Sense of Coherence and Authenticity.
 Journal of Happiness Studies.

・今回読んだ論文は、グリットがSOC(Sense of Coherence)を媒介してウェルビーイング
 と関連するか、という研究でした。
・グリット(Grit)とは、「長期目標に対する情熱と忍耐」(Duckworth et al., 2007)であ 
 り、生涯に渡る学業成績、新任教師の最初に赴任校での管理能力と教育力、スペリン
 グ・ビーの成績、過酷な軍事訓練の継続、結婚の継続、エクササイズルーティンの継続
 などを予測することがわかっています。見通しがなくても、頑張り続ける意味が分から
 なくても、頑張れる、「やり抜く力」を指しています。
・論文では2つの研究が行われ、研究1では大学生を対象に、研究2では卒業生を対象に、
 グリットと様々なwell-being(人生満足感SWL、人生の調和HIL、心理的ウェルビーイン
 グPWB)との関係、これらの関係がSOCと本来感(Authenticity)に媒介されているか検討
 すること、社会人口学的変数(性別、年齢、教育レベル)がグリットと関連しているか
 を、調整媒介分析を用いて検討されました。
・結果は、グリットは、well-beingのすべての側面と正に関係しており、SOCと本来感は
 有意な媒介変数でした(PWBに対しては補完的に、人生満足感と人生の調和に対しては
 間接的に)。

次回の予定は下記となっています。
2020年4月28日(火)18:30~20:30
場所:聖路加国際大学 (教室は4月以降にご連絡いたします)
担当:石井恵美子さん(順天堂大学大学院 医療看護学研究科 修士修了予定)
テーマ:「中国文化を内在化しつつ日本に永住帰国した中国残留日本人孤児のストレス対処力と関係する特性」


2020年1月17日金曜日

次回のPPの会のご案内

先月延期となりました、PPの会の日程についてご案内致します。

日程:2020年2月3日(月)18:30~
場所:聖路加国際大学 本館 506教室
担当:谷木龍男先生(清和大学)
テーマ:文献紹介
M. M. Vainio, D. Daukantaite, Grit and Different  Aspects of Well-being: Direct and Indirect relationships via Sense of Coherence and Authenticity. Journal of Happiness  Studies.
https://www.researchgate.net/publication/284187126_Grit_and_Different_Aspects_of_Well-Being_Direct_and_Indirect_Relationships_via_Sense_of_Coherence_and_Authenticity

今年最初のPPの会です。
ご多用中と思いますが、ぜひご参加くださいませ。

どうぞよろしくお願い致します。


2019年11月5日火曜日

10/10 PPの会の開催報告

10月10日に開催されたPPの会の開催報告です。
参加者は6名でした。

10月10日(木)18:30~
場所:聖路加国際大学 本館506教室
担当:中山和弘先生(聖路加国際大学)
テーマ:文献紹介
 Carol D. Ryff., et al. 
 Culture, inequality, and health: evidence from MIDUS and MIDJA comparison. 
 Cult Brain. 2015; 3(1): 1-20.

・今回読んだ論文は、健康格差と社会的決定要因との間にある心理社会的要因について、
 なぜ社会階層が低いと健康が悪いのか、という内容についてのレビュー論文でした。
 アメリカと日本において行われた、大規模追跡調査の結果を基に、アメリカと日本の
 比較が検証されました。
・アメリカではmastery(sense of control)、psychological well-being、anger、
 maternal nurturance(養護性)、personality traits(性格特性)が挙げられていました。
 自分のことがコントロールできる感覚が高い人、ポジティブな感情を持っている人、
 怒りを表出できる人、養護者にしっかりと育てられた人であれば、低学歴・低所得
 でも健康への影響を排除できるということがわかりました。
・一方、日本においては、interdependence(relational harmony)、つまり相互依存、
 人間関係の和が挙げられていました。また、日本はネガティブな感情、ポジティブな
 感情、両方を訴える、弁証法的(dialectical)スタイルで、感情表出として中庸
 (middle way)であることが、東アジアにおける文化的な特徴として挙げられて
 いました。
・ディスカッションでは、この調査において、社会的決定要因を何として設定していた
 のかという疑問や、日本においてもmasteryは必要であることなどが話題に出ました。

次回の予定は下記となっております。
2019年12月12日(木)18:30~
場所:聖路加国際大学 本館 506教室
担当:谷木龍男先生(清和大学)
テーマ:文献紹介
 M. M. Vainio, D. Daukantaite,. Grit and Different Aspects of Well-Being: Direct and Indirect Relationships via Sense of Coherence and Authenticity. Journal of Happiness Studies. 



2019年8月16日金曜日

7/30 PPの会の開催報告

7月30日に行われたPPの会の開催報告です。
参加者は7名でした。

7月30日(火)18:30~
場所:聖路加国際大学本館 506教室
担当:戸ヶ里泰典先生(放送大学)
テーマ:文献紹介(前回の続き)
Ryff CD. Psychological Well-Being Revisited: Advances in the Science and Practice
 of Eudaimonia. Psychother Psychosom 2014; 83: 10-28.

・今回は、前回の論文の続きで、心理的ウェルビーイング(Psychological well-being)
 に関する臨床研究や介入研究、今後の課題について読みました。
・様々な介入研究の結果、well-beingと精神疾患との関連が明らかとなり、いずれも
 身体的健康、生物学的機能、神経生理学的にも効果が認められ、全般的にwell-being
 を高めることがわかりました。
・アメリカで行われているMIDUSと合わせて、日本でもMIDJA(Midlife in Japan)が
 長期的な大規模追跡調査として行われていました。
・しかし、Ryffが示した心理的ウェルビーイングの6つの主要な次元に対し、何が
 どのように関わっているか、ということまでは明らかになっていませんでした。
・今後、異なる水準(現象学、生物学、遺伝学、神経科学など)にまたがる分析が必要に
 なりそうです。

次回の予定は下記となっています。
10月10日(木)18:30~
場所:聖路加国際大学 本館506教室
担当:中山和弘先生(聖路加国際大学)
テーマ:(未定)