次回開催予定
日時:9月28日(月)18:30~
場所:聖路加国際大学 本館506室
プレゼンター:河合薫さん
テーマ:ある末期がん患者の死へのリアル -理論はどこまで通用するのか?-
大変興味深いテーマです。
皆様のご参加をお待ちしております。
PP会は、2004年に始めた勉強会です。毎回担当者が題材を持ちより、プレゼンテーション・ディスカッションを通じてPositive Psychologyに対する理解とその保健医療看護への応用について考えることを目的としています。
メンバーのバックグラウンドも、看護学、健康社会学、保健学、心理学、医学など、多岐にわたっています。所属も幅広い大学や研究所などです。
開催場所は、聖路加国際大学(旧聖路加看護大学)です。
参加希望者は中山までメールをください。
2015年8月27日木曜日
2015年7月30日木曜日
Inner strength
日時:2015年7月30日(木)18時30分~
場所:聖路加国際大学5階506
放送大学戸ヶ里先生による論文 Inner strength — A theoretical analysis of salutogenic concepts. Int J of Nursing Studies (2010) の紹介でした。
resilience, sense of coherence, purpose in life, self‐transcendence, hardinesという5つの概念のコアにあるInner strengthのディメンジョンを探るというもの。5つの概念のQuestions, paradigmsとassumptions, 概念のattributes,それらが高い人が持つ特徴から、それらのコアには4つのディメンジョンConnectedness, Creativity, Firmness, Flexibilityがあるとした。
ディスカッションでは、次のような話が出ました。
放送大学戸ヶ里先生による論文 Inner strength — A theoretical analysis of salutogenic concepts. Int J of Nursing Studies (2010) の紹介でした。
resilience, sense of coherence, purpose in life, self‐transcendence, hardinesという5つの概念のコアにあるInner strengthのディメンジョンを探るというもの。5つの概念のQuestions, paradigmsとassumptions, 概念のattributes,それらが高い人が持つ特徴から、それらのコアには4つのディメンジョンConnectedness, Creativity, Firmness, Flexibilityがあるとした。
ディスカッションでは、次のような話が出ました。
4つのディメンジョンが導かれた根拠が、明確でない部分が気になった。例えば、Connectednessはsense of coherencのcomprehensiveness(把握可能性)ととても近いとしているが、看護へのImplicationのなかでConnectednessは患者の家族や友人とのつながりとなっていて、論理的な一貫性に疑問が見られた。
5つの概念から4つのコアを見つけたとあるが、概念の範囲としては拡大している感じがした。とくに、従来、self‐transcendenceがresilience, sense of coherenceと近いものとして語られることがほとんどなかったので、この概念を強く含んだInner strengthを強調したいという当初からの意図が感じられた。
論文には限界としてself-efficacyやstressとの関連を見ていないことが挙げられていたが、それはかなり重要な問題に思えた。stress copingとくにpositive copingやresourceの理論、またRyffのwell-being、masteryとの関連が記述されていない点で不全感が残るものであった。
ポジティブ心理学では、Human strengthという言葉は使うが、Inner strengthという概念はそれとイコールなのか、Innerの持つ意味が気になった。
2015年5月18日月曜日
結核患者のPost Traumatic Growth
日時:2015年5月18日(月)18時30分~
担当:白谷佳恵さん(本学博士修了生、横浜市立大学)
テーマ:結核患者のPost Traumatic Growthについて
直接服薬確認療法(directly observed treatment short-course)
通称DOTS (ドッツ)を受ける患者さんを対象とした調査で、
対象のPTGについて報告がありました。
路上生活をする結核患者が、保健師による生活療養支援を受けて、こんなに親身になってもらったので結核になってよかったと語るというお話が聞けました。
担当:白谷佳恵さん(本学博士修了生、横浜市立大学)
テーマ:結核患者のPost Traumatic Growthについて
直接服薬確認療法(directly observed treatment short-course)
通称DOTS (ドッツ)を受ける患者さんを対象とした調査で、
対象のPTGについて報告がありました。
路上生活をする結核患者が、保健師による生活療養支援を受けて、こんなに親身になってもらったので結核になってよかったと語るというお話が聞けました。
よくなった後のフォローがなかなかできないという話があり、結局元に戻ってしまう事例もあるとのこと。生活の支援という点から追跡調査が期待されます。
2015年3月23日月曜日
ヘルスリテラシーとSOCの関連
今年度最後のPPの会を3月16日(月曜日)開催しました。
参加者は15名でした。
3月16日の概要と次回のPPの会日程をお知らせします。
■3月16日の概要
テーマ「ヘルスリテラシーとSOCの関連」
担当:中山和弘
概要
・ヘルスリテラシーとは?ヘルスリテラシーの測定尺度
・2013年度中山先生が実施した調査結果(ヘルスリテラシーとSOCの分析)
方法:Web調査
対象者数:1054名
結果
EU8か国と比べて日本人のヘルスリテラシーは低い
ヘルスリテラシーとSOCには相関がある
ヘルスリテラシーとMHI(Mental Health Index)には相関がある
など
ディスカッション
・なぜ日本人のヘルスリテラシーが低いのか
・ヘルスリテラシーはSOCに近いものを測っているのでは?
(しかし同じものを測っているわけではない)
・日本人の特徴も影響しているのではないか?
・今後の研究に向けて(測定尺度、調査、介入など)
でした。たくさん書きたいのはやまやまですがこのぐらいにしておきます。
■次回のPPの会開催日程
日時:2015年5月18日(月)18時30分~
担当:白谷佳恵さん(本学博士修了生、横浜市立大学)
テーマ(仮):結核患者のPost Traumatic Growthについて
白谷さんは保健師の経験があり博士課程をこの3月に修了されました。
博士論文では、直接服薬確認療法(directly observed treatment short-course)
通称DOTS (ドッツ)を受ける患者さんを対象とした研究に取り組み
PTG尺度も使用しています。
この日は、年度末、PPの会10周年をお祝いするため9名のメンバーで
東銀座のシチリア料理の店に行きました。
参加者は15名でした。
3月16日の概要と次回のPPの会日程をお知らせします。
■3月16日の概要
テーマ「ヘルスリテラシーとSOCの関連」
担当:中山和弘
概要
・ヘルスリテラシーとは?ヘルスリテラシーの測定尺度
・2013年度中山先生が実施した調査結果(ヘルスリテラシーとSOCの分析)
方法:Web調査
対象者数:1054名
結果
EU8か国と比べて日本人のヘルスリテラシーは低い
ヘルスリテラシーとSOCには相関がある
ヘルスリテラシーとMHI(Mental Health Index)には相関がある
など
ディスカッション
・なぜ日本人のヘルスリテラシーが低いのか
・ヘルスリテラシーはSOCに近いものを測っているのでは?
(しかし同じものを測っているわけではない)
・日本人の特徴も影響しているのではないか?
・今後の研究に向けて(測定尺度、調査、介入など)
でした。たくさん書きたいのはやまやまですがこのぐらいにしておきます。
■次回のPPの会開催日程
日時:2015年5月18日(月)18時30分~
担当:白谷佳恵さん(本学博士修了生、横浜市立大学)
テーマ(仮):結核患者のPost Traumatic Growthについて
白谷さんは保健師の経験があり博士課程をこの3月に修了されました。
博士論文では、直接服薬確認療法(directly observed treatment short-course)
通称DOTS (ドッツ)を受ける患者さんを対象とした研究に取り組み
PTG尺度も使用しています。
この日は、年度末、PPの会10周年をお祝いするため9名のメンバーで
東銀座のシチリア料理の店に行きました。
また20周年がお祝いできますように!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
聖路加国際大学大学院看護学研究科 博士後期課程 大坂
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
聖路加国際大学大学院看護学研究科 博士後期課程 大坂
2014年12月4日木曜日
Benefit-Finding and Growth」「Making Sense of Loss, Perceiving Benefits, and Posttraumatic Growth」
日時:2014年12月4日(木)18時30分~
場所:聖路加国際大学5階
テーマ:Benefit-Finding and Growth
担当:聖路加国際大学修士課程 麓さん
麓さんは助産師のPTSDのご研究をされています。
前回9月の担当に引き続き、担当してくれました。
内容
The Oxford Handbook of Positive Psychology(2 ed.)の中の
Chapter 60「Benefit-Finding and Growth」および
Chapter 61「Making Sense of Loss, Perceiving Benefits, and Posttraumatic Growth」
の内容をまとめ発表してくれました。
ディスカッションでは以下の点について取り上げました。
・逆境の生じ方の違いによるFinding BenefitおよびPosttraumatic Growthの起こり方の違いはどうあるのか
例として提示されていた2つの研究「がんの末期で大切な人を失った家族の研究」と
「鉱山爆発事件で大切な人を失った家族の研究」を比較しながら話し合いました。
連続性の中で生じる逆境と、突発的に生じる逆境での大きな違いではないか?とう意見も出ました。
・Posttraumatic Growthはどこまで正確に測定できるのか
PTGは、何らかの逆境を経験した後に認識される成長を測るのですが
それが本当に逆境を経験したからこそ生じた成長と言えるのか、どこまで正確に測れるのか?
逆境を経験していない段階での測定との比較が難しいので限界があるのではないか?
正確に測定できなければ介入の効果を検証できないのではないか?
書籍に登場する研究には、がん患者および乳がん患者を対象とした研究も多く大変興味深い内容でした。
介入を考えていく上でも重要な要素となりうるFinding BenefitやPosttraumatic Growthについて
さらに概念の違いや測定尺度について理解を深めていきたいと思いました。
次回のテーマは「ヘルスリテラシーとSOCの関連について」です。
場所:聖路加国際大学5階
テーマ:Benefit-Finding and Growth
担当:聖路加国際大学修士課程 麓さん
麓さんは助産師のPTSDのご研究をされています。
前回9月の担当に引き続き、担当してくれました。
内容
The Oxford Handbook of Positive Psychology(2 ed.)の中の
Chapter 60「Benefit-Finding and Growth」および
Chapter 61「Making Sense of Loss, Perceiving Benefits, and Posttraumatic Growth」
の内容をまとめ発表してくれました。
ディスカッションでは以下の点について取り上げました。
・逆境の生じ方の違いによるFinding BenefitおよびPosttraumatic Growthの起こり方の違いはどうあるのか
例として提示されていた2つの研究「がんの末期で大切な人を失った家族の研究」と
「鉱山爆発事件で大切な人を失った家族の研究」を比較しながら話し合いました。
連続性の中で生じる逆境と、突発的に生じる逆境での大きな違いではないか?とう意見も出ました。
・Posttraumatic Growthはどこまで正確に測定できるのか
PTGは、何らかの逆境を経験した後に認識される成長を測るのですが
それが本当に逆境を経験したからこそ生じた成長と言えるのか、どこまで正確に測れるのか?
逆境を経験していない段階での測定との比較が難しいので限界があるのではないか?
正確に測定できなければ介入の効果を検証できないのではないか?
書籍に登場する研究には、がん患者および乳がん患者を対象とした研究も多く大変興味深い内容でした。
介入を考えていく上でも重要な要素となりうるFinding BenefitやPosttraumatic Growthについて
さらに概念の違いや測定尺度について理解を深めていきたいと思いました。
次回のテーマは「ヘルスリテラシーとSOCの関連について」です。
(記録:大坂和可子)
2014年9月24日水曜日
助産師の職務上でのPTSDとポストトラウマティックグロウス、レジリエンス
本日の報告は次の通りでした。
開催日:2014年9月24日(水曜日)18時30分~
場所:聖路加国際大学 5階506
テーマ:助産師の職務上でのPTSDとポストトラウマティックグロウス、レジリエンス
担当:聖路加国際大学修士課程 麓さん
助産師の仕事は生死にかかわる場面に出会うこともあり
そのような出来事をトラウマと捉え調査した結果の報告でした。
過去のつらい経験を自由記述で回答してもらっていて、
その分析だけでも大きな仕事だと思われました。
ポストトラウマティックグロウス(PTG)とレジリエンスが類似した概念なので
これらの関連をみつつ、これらを目的変数として、経験年数などのキャリアや、
当時受けたサポートとの関連をつぶさに分析するとよいでしょう
という議論がありました。
次回は、同じく麓さんに
開催日:2014年9月24日(水曜日)18時30分~
場所:聖路加国際大学 5階506
テーマ:助産師の職務上でのPTSDとポストトラウマティックグロウス、レジリエンス
担当:聖路加国際大学修士課程 麓さん
助産師の仕事は生死にかかわる場面に出会うこともあり
そのような出来事をトラウマと捉え調査した結果の報告でした。
過去のつらい経験を自由記述で回答してもらっていて、
その分析だけでも大きな仕事だと思われました。
ポストトラウマティックグロウス(PTG)とレジリエンスが類似した概念なので
これらの関連をみつつ、これらを目的変数として、経験年数などのキャリアや、
当時受けたサポートとの関連をつぶさに分析するとよいでしょう
という議論がありました。
次回は、同じく麓さんに
- Benefit-Finding and Growth
についてレポートしてもらう予定です。
日程が決まりましたら報告します。
2014年7月28日月曜日
看護師のレジリエンス
本日は次の内容でした。
場所:聖路加国際大学看護学部
担当:砂見緩子さん(聖路加国際大学博士後期課程3年)
テーマ:「レジリエンス ~概念の理解,看護への適用」
レジリエンスの概念と尺度の多様性、看護の現状とそれへのレジリエンスの応用について
あらためて考えさせられる楽しい議論でした。
発表内容
・レジリエンスの定義や予測因子、保護因子
・心の折れやすい人と折れにくい人の違い
・看護師のレジリエンスの調査結果(砂見さんのご研究)
調査は4年目以上の看護師対象の調査と3年目以内の看護師の調査についての結果や、今年実施した看護師対象のインタビュー調査についてお話いただきました。
ディスカッション内容
・自尊感情とレジリエンスの関係性について
レジリエンスの中に含まれるものなのか?含まれないものなのか?
・レジリエンスの測定尺度の信頼性・妥当性について
Grotberg(1995)によるRC(Resilience Checklist)3因子(I have External Supports, I am Inner Strength, I can interpersonal and Problem-Solving Skills)21項目
・看護師のレジリエンスの調査の分析結果について
・研究におけるレジリエンスの定義について
・レジリエンスは後から獲得できるものか?特性か?
・看護師のレジリエンスとはどういうところを指すのか?(対象特性を踏まえ)
・看護師のレジリエンスを促進することでどんなアウトカムにつながるのか?
など
実際に砂見さんが行った研究結果もご提示いただいたので概念の理解だけでなく、測定尺度やおよび分析についてなどなど幅広く学ぶことができました。
ご出席の皆様お疲れ様でした!
次回のPPの会は、9月または10月を予定しております。
場所:聖路加国際大学看護学部
担当:砂見緩子さん(聖路加国際大学博士後期課程3年)
テーマ:「レジリエンス ~概念の理解,看護への適用」
レジリエンスの概念と尺度の多様性、看護の現状とそれへのレジリエンスの応用について
あらためて考えさせられる楽しい議論でした。
発表内容
・レジリエンスの定義や予測因子、保護因子
・心の折れやすい人と折れにくい人の違い
・看護師のレジリエンスの調査結果(砂見さんのご研究)
調査は4年目以上の看護師対象の調査と3年目以内の看護師の調査についての結果や、今年実施した看護師対象のインタビュー調査についてお話いただきました。
ディスカッション内容
・自尊感情とレジリエンスの関係性について
レジリエンスの中に含まれるものなのか?含まれないものなのか?
・レジリエンスの測定尺度の信頼性・妥当性について
Grotberg(1995)によるRC(Resilience Checklist)3因子(I have External Supports, I am Inner Strength, I can interpersonal and Problem-Solving Skills)21項目
・看護師のレジリエンスの調査の分析結果について
・研究におけるレジリエンスの定義について
・レジリエンスは後から獲得できるものか?特性か?
・看護師のレジリエンスとはどういうところを指すのか?(対象特性を踏まえ)
・看護師のレジリエンスを促進することでどんなアウトカムにつながるのか?
など
実際に砂見さんが行った研究結果もご提示いただいたので概念の理解だけでなく、測定尺度やおよび分析についてなどなど幅広く学ぶことができました。
ご出席の皆様お疲れ様でした!
次回のPPの会は、9月または10月を予定しております。
(記録 大坂和可子)
登録:
投稿 (Atom)