2017年5月6日土曜日

4/17 PPの会の開催報告

遅くなってしまいましたが、4月のPPの会の開催報告です。
5名の参加でした。

2017417()18302030
プレゼンター:米倉佑貴先生(聖路加国際大学)
テーマ:Linda Bolier, Merel Haverman, Gerben J Westerhof, Heleen Riper, 
    Filip Smit and Ernst Bohlmeijer. Positive psychology 
    interventions: a meta-analysis of randomized controlled studies. 
    (2013). Public Health. 13(119). 文献紹介
ポジティブ心理学の介入研究のメタ分析を行った論文を読みました。

文献の概要は、
・全対象者数は、N=6139(介入群:N=4043,対照群:N=2096)
 大学生を対象とした介入が多く(17)、高齢者を対象としたものは2件。
・介入期間は1日〜10週間を超えるものもあった。
・アウトカムは、SWB(Subjective Well-being)を測定したものが28件、
 PWB(Psychological Well-being)を測定したものが20件、抑うつを測定した
 ものが14だった。
・ポジティブ心理学の介入はSWBPWBの向上,抑うつ症状の抑制に効果がある
 と考えられた。

ディスカッションでは、
全体として効果があるのがわかったけれど,個々のプログラムが応用している
理論ごとの効果の違いについてもわかるとよかったという議論をしました。

次回は、以下を予定しています。
日程:2017/06/26 (月) 18:30~20:30
担当:谷木龍男先生 (清和大学)
テーマは以下のどちらかを予定しています。
 ・フローのネガティブな側面
 ・「ウェルビーイングの設計論」の紹介(https://goo.gl/KL5REg)



2017年2月14日火曜日

2/13 PPの会の開催報告

今年最初のPPの会の開催報告をさせていただきます。
7名の参加がありました。

2017年2月13日(月)18:30~20:30
プレゼンター:米倉佑貴先生(聖路加国際大学)

テーマ:『ポジティブ心理学が1冊でわかる本』のご紹介 前回の続き
     (イローナ・ボニウェル著、成瀬まゆみ監訳)

著書の後半は、
・心的外傷後成長(PTG)とポジティブ・エイジング
・選択肢の多い時代を生き抜く
・強みを活かす
・愛
・ポジティブ心理学を暮らしに活かすには(介入方法の紹介)
・セラピー・教育・ビジネスでの応用
・ポジティブ心理学の未来
といった内容でした。
著書において、ポジティブ心理学の問題点として、歴史的ルーツの認識不足や、
統一的な理論がないことなどが挙げられていました。

今回の発表の中で、ポジティブ心理学における介入研究が、
保健医療場面においても行われていることが話題となり、
次回は、以下の文献を読む予定でいます。
文献:Linda Bolier, Merel Haverman, Gerben J Westerhof, Heleen Riper, Filip Smit and Ernst Bohlmeijer. Positive psychology interventions: a meta-analysis of randomized controlled studies. (2013). Public Health. 13(119).
 
次回は、2017年4月17日(月)18:30~開催予定です。
発表者は、今回に引き続き、米倉先生です。


文責:萩原加奈子

2016年12月19日月曜日

12/5 PPの会の開催報告

12月のPPの会の開催報告をさせていただきます。
7名の参加がありました。

201612月5日() 18302030
プレゼンター:米倉佑貴先生(聖路加国際大学)

テーマ:『ポジティブ心理学が1冊でわかる本』のご紹介
    (イローナ・ボニウェル著, 成瀬まゆみ監訳)

書籍の目次にならって、お話をいただきました。
・ポジティブ心理学とは何か?
 著者(心理学者)の考えるポジティブ心理学のマインドマップ
・ポジティブ感情とネガティブ感情
 ポジティブ感情とネガティブ感情のバランス
 2つに分けることへの疑問も生じている
・楽観主義と希望
 「希望」は、楽観主義と近い概念
 つらい時ほど希望に意味がある
・フロー
・幸福と主観的ウェルビーイング
 幸福の測定 人生満足度尺度、主観的ウェルビーイング
 幸福度を永続的に上昇させることは不可能
  セリグマンの幸福の公式
・ユーダイモニックな幸福
 心理的ウェルビーイング(リフ&キーズ, 1995)
  自己受容、個人的成長、人生の目的、ポジティブな人間関係、
  環境管理、自主性
・価値観、モチベーション、人生の目的
・時間と人生

次回は、2017年2月13日(月)18:30~、
今回に引き続き、米倉先生より、本のご紹介の続きを予定しております。
幸福に影響するものとして、心的外傷後成長や愛などの話題が続きます。
たくさんのご参加をお待ちしております。

年末のあわただしい時期ですが、
皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。

文責:萩原加奈子

2016年10月20日木曜日

10/17 PPの会の開催報告

10月のPPの会の開催報告をさせていただきます。
5名の参加がありました。

20161017() 18302030
プレゼンター:戸ヶ里泰典先生(放送大学)
テーマ:Joseph S, & Sagy S. Positive psychology in the context of salutogenesis. 
   in  Maurice B. Mittelmark, Shifra Sagy, Monica Eriksson et al. (eds) 
   The Handbook of Salutogenesis, Springer International Publishing AG; Cham, 
           pp83-88, 2016.  文献紹介

健康生成論とポジティブ心理学の間の架け橋となる、
概念枠組みが提示された論文をご紹介いただきました。

ポジティブ心理学の新たな領域は、
健康生成論のアプローチと共通性を持っていますが、
今まで健康生成論の概念は、ポジティブ心理学の文脈では
ほとんど注目を持たれてきませんでした。
どうして健康生成論に対する注目がなかったのでしょうか?

どちらもストレスや逆境によって、人間が成長し、
well-beingへとつながることに着目しています。

ディスカッションでは、新たに提示された概念枠組みについて意見交換がなされ、
次回以降、改めてポジティブ心理学の各概念を丁寧に学び直してもいいかもしれない、
という声が上がりました。

戸ヶ里先生、丁寧なスライドを作成いただき、ありがとうございました。

次回は、125()1830~開催を予定しております。
発表者は、米倉佑貴先生です。
たくさんのご参加をお待ちしております。



記録:萩原加奈子

2016年8月2日火曜日

8/1 PPの会開催報告

8月1日(月) 18:30~20:30
Positive Psychologyの会が開催され、10名の参加がありました。

プレゼンターは東京慈恵会医科大学 医学部看護学科 講師 大坂和可子さんでした。
テーマは「ピアのナラティブ情報は健康課題の意思決定にどのように影響するのか?」ということで、大坂さんがこれまで取り組んでこられたサポートグループでのピアサポートについて、そして博士論文で取り組まれた乳がんの術式選択にナラティブを情報を加えた意思決定ガイドの開発と評価のプロセスを丁寧にご紹介くださいました。
ディスカッションでは、”ナラティブ”の概念や開発された意思決定ガイドの具体的な内容、結果の解釈について熱く議論されました。

意思決定支援の研究が徐々に増えてはおりますが、ディシジョンエイドの開発は日本ではまだまだ少ないので、大坂さんは先駆けとなる研究をされておられます。
現在論文投稿中とのことですので、公開が楽しみです。

大坂さんありがとうございました。

次回のPPの会は9月下旬~10月上旬頃を予定しております。
詳細はまたメーリングリストで配信させていただきます。


 PPの会の後は、恒例の食事会☆6名が参加し、ワインで乾杯しました。
研究から政治のこと、夏休みのことなどで盛り上がり、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった8月最初の日でした。

2016年6月8日水曜日

5/30 PPの会開催報告

遅くなってしまいましたが、5月のPPの会の開催報告をさせていただきます。
11名の参加がありました。

2016年5月30日(月曜日) 18:30~20:30
プレゼンター:中山 和弘先生
テーマ:Koelen, M. A., & Lindström, B. (2005).Making healthy choices easy
choices: The role of empowerment. European Journal of Clinical
Nutrition, 59, S10–S16. 文献紹介

ヘルスリテラシーとSOCの双方に関する数少ない論文のひとつを、ご紹介いただきました。

ディスカッションでは、
・Health promotionとempowermentの概念について
・環境や状況を自身でコントロールするのが難しい人(=自信のない人、コントロール感のない人)への介入について
・資源と活用能力について
・専門家にエンパワメントする自信がなければ、かえって阻害することもあること
・お互いにエンパワする循環がなければならないこと
など、ヘルスリテラシーの概念への変遷に関して、議論されました。
 
一生懸命読みましたが、周辺概念の理解や区別は本当に難しいなぁ、と感じました。まだまだ勉強が必要です。。。

中山先生ありがとうございました。


さて、次回は7月下旬~8月上旬開催予定です。

詳細は追ってメーリングリストで配信させていただきます。


2016年4月2日土曜日

3/29 PPの会 開催報告

 2016年3月29日(火曜日)18:30~20:30
今年度最後のPPの会を開催しました。
年度末ということもあってか、参加者は5名でした。

プレゼンター:萩原 加奈子さん(渋谷区保健師 東京慈恵会医科大学大学院 修士課程)
テーマ:都市部在住の乳幼児をもつ母親の笑顔と育児への肯定感に関する研究
萩原さんが修士論文で取り組まれた、お母さんの主観的笑顔、及び子どもの笑顔と、育児感情尺度、SOCの相関の結果について報告していただきました。
ディスカッションでは、評価方法や他の関連因子などについても活発に意見交換されました。

萩原さん。ほかほかの研究の発表ありがとうございました。

PPの会の皆さま。 次回は5月下旬を予定しております。詳細はメーリングリストでお知らせ致します。



終了後の食事会では、ワインのお店をハシゴしました☆


かわいいエチケットのワインはジャケ買いでしたが、味も大満足で、とても楽しい会になりました♪